2015年12月
2015年12月20日
明石矯正研修会
12月20日 明石へ矯正のセミナーに行ってきました。
今回のセミナーの内容は、『機能的矯正装置』についてでした。
普通の取り外し式の矯正装置は、装置に組み込まれているバネやスクリューを調整することによって、歯に矯正力を加えて歯を動かしていきます。
それに対して機能的矯正装置の作用は、装置を付けている間に加わる歯を噛み合わせる力や舌の力によって、矯正力を発揮する装置になります。
機能的矯正装置と普通の取り外し式の矯正装置には、作用の仕方で大きな違いがあります。
その違いを簡単に言うと、
取り外し式の装置は、歯を倒したり起こしたりして、歯を傾斜させて動かしたり、歯列の幅を広げていくことができます。(ケースによって顎の骨を広げていくものもあります。)
それに対して、
機能的矯正装置は、歯にも作用しますが、大きく異なる点は顎の骨の発育を促してくれるように作用するというところです。
例えば、近年あまり硬い食べ物を食べる機会が減ってきていることからで、子供の歯列や顎の骨は小さくなっていると言われています。そのような場合であっても、まだ成長期と判断できるお子様であれば、機能的矯正装置を用いることで、下顎の成長を前方に成長させることができます。
しかし、逆に言えば成長期を終えてしまうと、顎の成長を促したりまたは抑えたりすることは困難になってくるので、機能的矯正装置の適応外になるため、使えなくなります。
つまり、限られた時期でしか用いることのできない装置ではあるのですが、顎の骨の成長をコントロールできる時期に用いることで、
骨格的歯列不正(顎の形態や大きさにずれがあり生じている歯列不正)を未然に防いでいくことができる、成長期のお子様にはかなり有効的な矯正装置です。
子供の成長は、個人差がかなり大きいのですが、
一般的に女の子の方が成長のスパートは早く11~12才、
男の子では12~13才くらいなので、できればその時期には機能的矯正装置を作用させて
いくべきかとは思います。
歯列矯正は、治療の開始時期によって、経過もゴールも大きく変化しますので、
何か疑問があれば些細なことでもいいので聞いてくださいね。
福田 泰久