せこ歯科ブログ
2024年05月27日
愛知インプラントインスティチュート第2回目
歯科医師の前田です。
5月25.26日と講習会に参加してきました。
今回は第2回目ということでまずはインプラントの歴史についての講義でした。現在はチタン製の筒状のインプラントが主流ですが、そこに至るまでには沢山の偉人達の試行錯誤の上に辿り着いたものになります。今まで学校の授業で習った歴史ですが、それを実体験も交えながら講義していだだき非常に感慨深いものでした。40年以上インプラント治療の第1線で活躍されている堀田先生の話に引き込まれました。堀田先生が仰られた「過去の蓄積を知らないと未来を判断出来ない。」という言葉がとても心に響きました。確かに今現在インプラントを治療する上では、昔のインプラントの形や材料の知識は必要ないかもしれないです。ただし今も日に日に新しい形状、性質、コンセプトを持ったインプラントが様々なメーカーが開発しており、それを正確に判断する上で過去の成功例、失敗例を知っておく必要があると強く感じました。
次に外部講師の病理学講座前田教授の講義を受けました。天然歯とインプラントの病理的な見地の違いやインプラント周囲の組織構造について学びました。そもそもインプラントは生体にとっては異物となります。それを生体内に埋め込んでどのような反応があるのか、インプラントをどのように許容して周りの組織がどう変化していくのか。天然歯とインプラントはそもそも別物ですので骨や歯周組織との結合の仕方が異なります。それをしっかりと理解した上でインプラントを長期に安定させていくためにどのようにメンテナンスをおこなっていく必要があるのかを再考する良い機会となりました。また「インプラントは変わらないが、周りの組織は常に変化している。」言葉が印象的でした。インプラントの周りの組織は、生体にとって異物であるインプラントをいかにして生体内で安定させているのかを改めて学び考えさせられました。
そして骨補填剤(人工骨)の歴史についても講義を受けました。骨補填剤も今まで幾多の種類のものがあり、今でもどんどん新しい物質、形状、性質を持った商品が出てきます。様々な材料を使ったものが世に出ましたが、100%間違いないものは無いのが現状です。あくまで人工物ですので全てが天然の骨に置き換わる訳ではありません。どれくらい骨の中に留まるものが良いのか、完全に生体に吸収されるものが良いのか、まだまだ改良された製品が出てきているので、それがどのような性質を持っているのか、利点欠点を正確に判断していく力を身につけていかなければならないと感じました。
次回はインプラントの講義から少し離れて歯周外科手術の実習になります。なんと丸2日間びっちり実習するそうです。歯肉の切開から様々な縫合の方法、より良い歯周組織へのアプローチをしっかりと学んでいきます。