せこ歯科ブログ
明石矯正研修会
1月16・17日で明石矯正研修会に行ってきました。
歯列矯正の矯正装置といわれると、皆さんはどんなものを想像されますか?
おそらく、今回の写真でのせてあるような、それぞれの歯にブラケットという装置をつけて、
ワイヤーを通してあるものを思い浮かべるかと思います。
これはマルチブラケットシステムという矯正装置で、一般的に最も多く行われている歯列矯正の方法です。明石矯正研修会のメインとなる内容も、このマルチブラケットシステムによる歯列矯正です。
今回は、このマルチブラケットによる矯正治療についてお伝えしたいと思います。
この装置の特徴は、歯をワイヤーで連結することで3次元的に歯を移動させることのできます。通常は永久歯の歯並び治療に用いる装置なので、永久歯が生えそろうおおよそ12~13才以上が対象に行なうものになります、
実際の治療では、歯一本一本に歯科専用の接着材でブラケットといわれる装置を張り付けます。そしてチタンやステンレス製の柔軟性の高いワイヤーをブラケットに通してくくりつけることで、ワイヤのカーブに沿って歯を動かしていくことができます。
矯正のセミナーへ行ってきました
1月17日、東京で矯正のセミナーに参加してきました。
今回、人類学から紐解く狭窄歯列と題されて現代人に多い乱杭歯の原因や対策についてお話をしていただきました。
まず、アジア人の特徴として、特別な環境(シベリア)に適応するため顔は平べったく目の周りに脂肪がつき、一重のまぶたがあげられます。これはシベリアという寒いところで熱を放散させないためにこの様な顔つきになりました。
その顔つきを引き継ぐ弥生人と元々いた縄文人が合わさって私達の祖先の顔つきができました。その後環境に対応しながら現代人の顔つきが出来上がってきています。
大昔、私達の祖先は固いものを食べていました。よく噛まないと食べられないものばかりなので、顎の骨はしっかり発達していました。
しかし、文明が発達し柔らかい食べ物がで始めてから、顎はどんどん小さくなっていきました。江戸時代、庶民の顎の骨はまだまだしっかり発達していますが、殿様クラスになってくると普段から柔らかい食べ物を食べるため、明らかに顎が小さくなっています。
因みに私達現代人はそれより小さい顎になってしまっている方が多くいらっしゃいます。これは、江戸時代の殿様よりも柔らかいいい食べ物を食べていい生活を送っているということです。
文明が発達したことによって、とても便利な生活を送れるようになりましたが、その分歯並びについては悪い環境になってしまっているのかもしれません。
また、100年後の顔つきを予想したものでは、顎は今より小さくなり、三角顎の長い顔で鼻は高くなると予想されています。ぱっと見現代にうける見た目になりますが、より歯並びは悪くなると考えられています。
このままではいけないので、普段から良く噛む生活を心がけていくことが必要です。ここで大切になってくるのが「まえがみ」です。「前髪」ではありません、「前噛み」です。
前歯を使って食べ物を切り、奥歯ですり潰すという行動が顎を成長させる重要なポイントになります。なるべく食べ物は大きく切ってそれぞれの歯で切ってもらうようにしましょう。食事は毎日3度行うことです。毎日続けることが大切で、特に小さい頃からそのような行動をとることが将来よい歯並びを得られる可能性が大きくなりますので、親御さん方少し食事に注意してみてはいかがでしょうか。
田岡 則子